2012年3月28日水曜日

コーポラティブハウス-2

コーポラティブハウス企画の事業工定表を作成中である。
住まい手が出来るだけ長い期間を設計に参加できるように苦心している。

住まい手募集から決定までの期間が読めないことが計画を難しくしている。
募集が長引けばそれだけプロジェクト期間が長くなり、リスクが増える。

となると住まい手が途中で参加することをを見込んでおく必要がある。
途中参加の場合に住戸内部の設計期間をどれだけ長く取れるかが重要。

建築工事を行う前に建築確認申請の許可を取らなければならない。
近年改正の建築基準法では許可後の設計変更は難しい。

許可後に変更する場合は再審査となり、審査中は工事が出来ないからである。

そんなこんなで設計工程や建設工程などを見直している最中。

2012年3月27日火曜日

一級建築士定期講習

数年前の法改正により、建築士は3年ごとに定期講習を受ける事が義務となった。
一級建築士も例外ではなく、今日は講習を受講してきた。

朝9:30から17:30までみっちりと講習。
最後に考査と称するテストがあるので講義も気が抜けない。

講習を受けた感想として
阪神大震災や耐震偽装そして京都議定書発効など社会問題や災害の内容がそのつど建築基準法を改正してきた。

昨年の東日本大震災の教訓として、津波対策も今後盛り込まれるのであろう。
しかし起こった事例に対して対処療法的に対応する事に違和感を感ずる。

問題が起こる前に予防する対応が建築界にも必要だと感ずる。
一つには建築主に助言出来るような建築士の権限強化も必要ではないかと感ずる。
日本では個人のお客様はともかく法人の場合は経済原理が最優先される。
震災対応も単なる経済の訴求効果だけではない理念が必要ではないだろうか。

そこには想像力が必要とされるが、例えば都市に対するスキャン能力等は建築士として満更ではないと思う。
建築設計に携わる者はその様な能力を今後さらに求められると思う。

建物単体で設計が完結するのではなく、社会に対しても責任ある「仕組み」を創れるかが建築界の課題になると思う。


2012年3月26日月曜日

コーポラティブハウス

今日はコーポラティブ住宅の企画に没頭している。
コーポラティブ住宅というのは分譲マンションなどと違い設計段階から住民が参加し主体的に関わる住宅のこと。
入居前から住民同士が顔を合わせ家づくりに関わっていく。
今日は募集前の準備づくり。
場所の設定や諸経費等金額条件などが難しい。

2012年3月22日木曜日

マンションができるまで-7

今日もマンション計画の設計に明け暮れる。
具体的には何を作業してるかというと

住戸プランである。
よく新聞広告にも入ってくる住宅内部の間取り設計である。

トイレはここで、リビングは南で太陽がいっぱい入ってくるようにとか・・
個人の一軒家を設計するときに一番重要な設計過程で
住宅設計において住まい方を決定づける

しかしマンションは設計段階ではお客様はいない。
ではどうやって設計するのか?
当然の疑問。

販売計画からターゲット層を決め、どの様な希望でもある程度満足が得られる間取りとなる。
いわば希望の最大公約数的な設計。

具体的に部屋数は3LDK、洋室は最低5畳、リビング・ダイニングは15畳以上とか等々・・・
そして見慣れた間取、いわゆる田の字型プランが量産される。

田の字型とは玄関を入って真ん中が廊下で左右に部屋を配置するプラン。
田の字にいているからそう呼ばれている。

・収納充実、大量の本がスタイリッシュに収納できます。
・パーティーが出来るキッチンです。
・広大なワンルームで可動間仕切りで自由にしきる
また地域性を配慮した間取などもあると面白いと思うのだが
売れないという資本主義の理論に流されてしまう。

内装材料も決められないので
個人の細かい希望や家づくりの楽しさは味わえないかもしれない。

ではマンションのメリットは何か
高いメンテナンス性、断熱性能、仕様統一からくるコストパフォーマンスの良さ、
そして防犯性能などだろう。

分譲マンションは
家を買う
戸建て設計の家は
家を創る

この違い。

デザイン事務所である弊事務所で何を楽しみに設計しているかというと
各事業者は高いメンテナンス性や安全性など
なるほどと思わされるディテール基準を持っており、
それを弊事務所のデザインにも反映できるからだ。


ところで近々協力会社と共同でコーポラティブハウスを企画しようという話がある。
コーポラティブハウスは企画段階から住み手を募集し共に作っていくもの
設計者にとっては住民同士の意見調整は大変だが
住まい手が見える設計はやはり楽しい。

自分たちの住まいは自分で作ろうという意欲的な方
ご興味ある方は事務所ホームページからご連絡下さい。
一緒に楽しみましょう。

*候補地は杉並区を考えております。
希望者の意見を考慮し土地選定を行う予定。

2012年3月21日水曜日

マンションができるまで-6


先日3月11日、東日本大震災から一年が経過した。
TVでも津波の映像が流れていた。

驚いたことに津波が間近にせまっているのに携帯電話等で撮影している人々だ。
今回の震災など世界各地で災害が起こり、そして我々はその映像をTVで見る。
現実と映像の既視感を感じたのではないか。
テレビを見ていて撮影していないで早く逃げて欲しいと切に思った。

今回の計画は海岸地沿いに建設予定である。
海が部屋から臨めることが特徴であり、震災前なら大いに売り文句になったであろうロケーションである。
しかし、設計を進めるにあたって津波避難等災害にどの様に向き合うかを検討している。
具体的には津波が当該地を襲ったとき近隣住民を含めて屋上に避難できるようになど。

屋上に防災倉庫等を設けたいのだが市条例で決められている高さを超えてしまう。
役所折衝中だが中々芳しくない。
なんとももどかしい
南フランス、マルセイユにあるユニテダビシオン(集合住宅)である。
地中海の海岸近くに立地している。
20世紀を代表する建築家ル・コルビジェの設計。

このように一階をピロティーとすればある程度の津波は防げる。
しかし今計画は高さ制限が厳しく思うように高さが上げられない。
一階住戸を全てピロティーにすると事業計画の採算が取れないそうだ。

建築は建物のかたちのデザインをするのも仕事だが
場を想像するのが本来あるべき姿であるはず。