2019年1月23日水曜日

何をたてるか-2

■企画について
企画設計という業務がある。
主に不動産業社いわゆるデベロッパーから建築可能性を探るための設計依頼だ。

土地収益を探る為、
容積率を出来る限り消化し、建築法規をクリアし、「かたち」は出来る。

商売上、売れる・売れた、貸せるかのデベさんの経験済みのプランが要求される。
だがコンセプトおよびデザインは入っていない「骨格」である

当然おもしろみは無い、設計者も色は付けて無いのだから
依頼側のデベさんも設計者も経験上プランが設計プランとして浪費されて行くような感覚がある。
当然面白くは無い・・

しかし設計者側にも責任がある。
今までかたち・デザインにとらわれ経済概念と向き合って来ただろうか?収支や宅地運用上のノウハウなど従来の業務に加えコンサルティング的な業務が必要では無いだろうか?

例えば戦略性が必要でそれが確立すると競合他社との差別化に繋がる。
幣事務所では現地立会い及び周辺環境を元に出来うる限り調査の上、企画プランを設計している。そこでは駅から近いのか、周辺のモデルハウスやマンションの間取り構成は?
ターゲット世代と間取りのリンク、住居専用ではなくSOHOや事務所複合など、実際の建築想定を打合せしていく

そもそも容積率に関しても未消化部分が建築価値に結びつく場合も多い。
無理をしない伸びやかな計画は広尾のアークヒルズなど町並景観に寄与し資産価値を上昇させる事も可能だ。
また立替時に未消化部分を立替費に回すことができる。

但し、理解を得られ長年気心が知れたデベロッパーや担当者との限定である。
ほとんどのデベロッパーでは設計者は単なる図面書きとしか見ていないのだから
○LDKで○○㎡で○戸の絵を描いて下さいという・・・・


以前有名建築家の企画案を見たことがあるが、企画案というより建物コンセプト案であった。
幣事務所にはそれの企画をやり直して欲しいとの依頼だ。

所有者の希望も判然としない中、建築家の自問のみ繰り返されるなら、設計業務の浪費ではなかろうか?

企画業務も最近のAI技術の発展を伴い、既にボタン一つで設計可能かつ収益までシミュレーション出来る様な時代となった。
今後、設計者は何を介在させるのか?
自己建築の欲求を建築士に期待するのか?



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